2021年4月から消費税額計算の方法は、インボイス制度として「適格請求書等保存方式」を導入します。
それまでの間は、簡素な方法として「区分記載請求書等保存方式」とするとともに、複数税率に対応した区分経理が困難な中小事業者や、システム整備が間に合わない事業者等に配慮して、税額計算の特例を創設します。
適格請求書等保存方式が導入されるまでの間における仕入税額控除制度については、現行の請求書等保存方式を基本的に維持します。
ただし、課税仕入れが軽減税率対象品目に係るものである場合には、帳簿に記載すべき事項として「軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨」を加え、請求書等に記載すべき事項として「軽減対象課税資産の譲渡等である旨」及び「税率の異なるごとに合計した対価の額」を加えます。
税額計算の特例は、課税売上高が5,000万円以下の中小事業者が、2017年4月から2021年3月までの期間に、売上を税率の異なるごとに区分することが困難な場合に適用されます。
具体的には、通常の事業を行う連続する10営業日の課税資産の譲渡等に占める軽減対象課税資産の譲渡等の割合、又は卸売業及び小売業に係る課税仕入れ等に占める軽減対象課税資産の譲渡等にのみ要するものの割合を用いて、その期間の売上税額を簡便に計算することを認める措置を設けます。
この卸売業及び小売業に係る課税仕入れ等に占める軽減対象課税資産の譲渡等にのみ要するものの割合を用いて売上税額を計算する措置については、簡易課税制度の適用を受けない課税期間に限り適用できます。
一方、仕入税額の計算の特例も設け、課税売上高が5,000万円以下の中小事業者が、2017年4月から2018年3月までの期間に、国内において行う卸売業又は小売業に係る課税仕入れ等を税率の異なるごとに区分することが困難なときは、卸売業及び小売業に係る課税資産の譲渡等に占める軽減対象課税資産の譲渡等の割合を用いて、その期間の仕入税額を簡便に計算することを認める特例措置も講じます。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成28年3月7日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。