日本商工会議所:事業承継税制等の利用・検討状況調査を公表!

 日本商工会議所は、「事業承継と事業再編・統合の実態に関するアンケート調査」結果(有効回答数4,140社)を公表しました。
 それによりますと、自社株式の評価額が1億円超の企業は、従業員「100人超」が83.3%、「51~100人」が72%、「21~50人」が56.8%となりました。

 事業承継税制は、2018年度税制改正において、10年間の特例措置として、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充が行われ、施行日以後5年以内に承継計画を作成して(都道府県に提出し)贈与・相続による事業承継を行う場合とし、猶予対象の株式の制限(発行済議決権株式総数の3分の2)を撤廃し、納税猶予割合80%を100%に引き上げることにより、贈与・相続時の納税負担が生じない制度とされております。

 事業承継税制の利用者数が増加するなか、自社株式評価額1億円超の相当程度の税負担が生じる企業では、既に後継者を決めている企業の48.6%が事業承継税制を「利用している(検討・準備中を含む)」と回答しました。

 また、「自社株式評価額が1億円超」かつ「既に後継者を決めている」企業では 、事業承継税制(特例措置)のエントリー手続きである特例承継計画の申請について、「申請予定なし」が35.7%、「よく分からない」が22.2%、「申請する意向がある(申請済みを含む)」が42.2%となり、「申請する意向がある」企業は、「後継者候補がいる」企業で19.3%、「後継者未定だが事業継続したい」企業で21.8%となりました。

 事業承継税制利用の障壁(複数回答)については、「10年間の時限措置であり今後どうなるか不明」が45.1%で最多、以下、「納税免除にならない可能性」が27.9%、「納税猶予の取消しリスク」が24.8%と続きました。

 事業承継にあたっての課題(複数回答)は、「後継者への株式譲渡」が32.7%で最多で、「後継者への株式の譲渡」と回答した企業において、株式譲渡を行う際の障害(同)は、「譲渡の際の相続税・贈与税が高い」が70.7%、「後継者に株式買取資金がない」が60.8%となりました。
(注意)
 上記の記載内容は、令和3年5月10日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。