日本商工会議所はこのほど、2026年度の「税制改正に関する意見」を取りまとめ公表しました。中小企業の後継者不足に対応するため、事業承継税制の特例措置の恒久化などを求めました。
事業承継税制は、中小企業の後継者が先代の経営者から非上場株式などの資産を取得した際、贈与税や相続税負担を軽減する制度です。税負担を実質的にゼロとする事業承継税制の特例措置については、適用を受けるための計画書提出期限が25年度末に迫っていることから、制度の恒久化を求めました。現行、「総株式数の最大3分の2」までとされている対象株式の限度枠を「全株式」に拡大するほか、相続の場合の納税猶予割合も現行の「80%」から「100%」とするよう要望。取引相場のない株式の評価方法については、「企業の清算を前提とした評価方法」を抜本的に見直すよう求めました。また、雇用確保要件についても「平均8割の雇用維持」を実質的に撤廃するべきだと主張しています。
また、中小企業の経営基盤強化に資する税制とするため、少額減価償却資産の損金算入特例の拡充・本則化を強く要望しています。「取得価額30万円未満、年間取得合計額300万円以下」とされている現行限度額の引き上げを要望したほか、「IT導入枠(仮称)」を創設して上限額を設定せずに即時償却を認めるよう求めました。従業員の手取り増に向けた税制としては、従業員への「食事補助」に対する非課税上限額の引き上げを要望しました。
外国人旅行者向けの消費税免税制度は、特に地方の観光地で小売業や商業施設の売上拡大に寄与しているとして制度の維持を要請しました。
自動車関連税制については、クルマの取得時に燃費性能などに応じて課せられる自動車税と軽自動車税の「環境性能割」を廃止し、消費税との二重課税を解消するべきだと主張しています。エコカー減税の現行水準での延長なども求めました。
<情報提供:エヌピー通信社>















