経済産業省は、令和8年度税制改正要望を公表しました。
それによりますと、トランプ関税で国際的な不確実性が高まる中、米国の投資即時償却制度の創設やドイツの法人税率引下げなど税制インセンティブの強化が打ち出され、投資の囲い込み競争が激化していることから、我が国として2040年度国内投資額200兆円の実現に向け、設備投資や研究開発投資などの国内投資を後押しし、企業による賃上げを徹底させていくことや、車体課税などの見直しを通じた国内産業基盤の維持・強化を図るとしております。
そして、下記の5つを要望のポイントとして挙げております。
①熾烈化する国際環境における国内投資促進及び産業基盤整備
②我が国の科学技術の発展に資する研究開発・イノベーション投資の促進
③中小・小規模事業者の事業承継・成長促進、地域経済の活性化
④GXの実現・エネルギーの安定供給に向けた基盤強化
⑤移り変わる国際課税への対応
上記①の中では、国内投資の拡大を通じて、日本企業の「稼ぐ力」を向上させ、賃上げを含めた好循環を形成するため、5年間を集中投資期間と位置づけた上で、高付加価値化のための大胆な設備投資を促進する税制の創設を要望しております。
上記②の中では、赤字や利益が少ない企業も含めた中小企業における研究開発投資を一層後押しし、収益力の向上を図る観点から、中小企業による研究開発に係る設備投資拡大に向けた所要の措置の創設を要望しております。
上記③の中では、経営者の高齢化の進展等を踏まえ、中小企業の事業承継を後押しし、生産性向上・成長を支援する観点から、法人版(特例措置)及び個人版事業承継税制(贈与税・相続税ともに100%を猶予)について、承継計画の提出期限延長を行うことや、事業承継による世代交代の停滞や地域経済の成長への影響に係る懸念も踏まえ、事業承継の在り方について検討するとしております。
上記④の中では、一定の再生可能エネルギー発電設備の固定資産税を軽減する措置について、地域と共生した国産再生可能エネルギーの普及拡大を図るため見直しを行った上で、適用期限の延長を要望しております。
上記⑤の中では、国内外の事業者間における課税の公平性や競争条件の中立性確保の観点から、国境を越えたEC取引に係る消費税の課税の在り方について検討するとしております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和7年11月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
















