日税連:令和8年度税制改正に関する建議書を公表!

 日本税理士会連合会(以下:日税連)は、令和8年度税制改正に関する建議書を公表しました。
 それによりますと、税制に対する基本的な視点として、担税力に即した公平な税負担、中立的で簡素な税制、合理的な事務負担、時代の変化に適合する税制、税務行政の透明性と適正な手続きを挙げております。

 建議・要望は、特に強く主張したい6項目の「重要建議・要望項目」や、中長期的な視点から検討した税目ごとの「今後の税制改正についての基本的な考え方」、全国15税理士会及び日税連650項目の税制改正意見から43項目に集約した「建議・要望項目」から構成されております。
 なお、6項目の「重要建議・要望項目」とは、
①(消費税)複数税率制度を廃止し単一税率制度に戻すとともに、インボイス制度導入に伴う各種特例措置の延長等といった中小・小規模事業者への必要な支援を継続すること
②(法人税)役員給与税制について見直しを行うこと
③(中小法人税制)中小企業者等の法人税率の特例の適用期限について延長すること
④(災害対応税制)雑損控除の適用につき「特定非常災害により生じた損失」については、控除の順番を見直すとともに、繰戻還付制度を創設すること
⑤(所得税)確定申告期限を延長すること
⑥(所得税)少子化対策について、税制面での検討を行うことが挙がっております。

 その他、主な建議・要望項目として、
①資本的支出に係る耐用年数の取り扱いを見直すこと
②賃上げ促進税制に係る控除限度額を拡充すること
③死亡の場合の準確定申告書の提出期限を、相続税の申告期限と同様とすること
④少額の減価償却資産の取得価額基準を引き上げること
⑤消費税の非課税取引の範囲を見直すこと
⑥納税義務免除制度及び簡易課税制度について、基準期間制度を廃止し、当該課税期間 による判定とすること
⑦取引相場のない株式の評価の適正化を図るため、所要の見直しを行うこと
⑧法人版事業承継税制(一般措置)に代えて、新たな贈与税及び相続税の猶予制度を創設 すること
⑨償却資産課税制度のあり方を抜本的に見直すこと
⑩税務手続においては電子申告等の活用を基本とし、そのための課題を具体的に分析・ 検討し、制度及びシステムの両面での積極的な環境整備を行うことが挙がっております。
 今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
 上記の記載内容は、令和7年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。