国土交通省がこのほど発表した全国の「公示地価」は、1地点につき2人以上の不動産鑑定士が現地を調査して決められます。ただし調査結果に対して、近隣の土地の売買例や賃貸収入などを基に国土交通省が調整を加え、土地鑑定委員会が最終的に決定したものが発表された価格です。
公示地価は土地の取引価格の目安となるほか、公共事業用地を買収するときの取得価格算定の基準にも利用されます。そのため多くの土地所有者が注目しています。
土地の価格には公示地価以外にも、相続税評価の基準となる「相続税路線価」、固定資産税のベースとなる「固定資産税路線価」、都道府県が発表する「基準地価」、実際に売り買いされる時の「実勢価格」などがあります。そして、公示地価に対して役割に応じた調整を加えたものが路線価や実勢価格となります。一つの土地にいくつもの値段が付いていることから「一物五価」とも呼ばれますが、そのすべてのベースとなるのが、毎年3月に発表される「公示地価」というわけです。
国土交通省が発表した今年1月1日時点の公示地価では、住宅地や商業地などを合わせた地価全体の全国平均が、コロナ禍以降で初めてプラスに転じた2022年から4年連続のプラスとなり、上昇幅も拡大しました。
<情報提供:エヌピー通信社>