国税庁は、令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月までの1年間)における法人税等の調査事績の概要を公表しました。
それによりますと、資料情報と提出された申告書などの分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度が高い法人5万9千件(前年対比94.6%)について実地調査を実施したところ、法人税の非違があったのは4万5千件(同96.4%)、その申告漏れ所得金額は9,741億円(同124.9%)、追徴税額は3,197億円(同99.1%)となりました。
実地調査件数は減少しているものの、申告漏れ所得金額や、調査1件当たり追徴税額は増加しており、特に追徴税額は直近10年で2番目という高水準となりました。
また、申告内容に誤りなどが想定される納税者等に対して、税務署において書面や電話による連絡や来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請する「簡易な接触」を行っています。
令和5事務年度において、自発的な申告内容等の見直し要請を7万件(同105%)実施した結果、申告漏れ所得金額は92億円(同117.9%)で過去最高となり、追徴税額は92億円(同129.9%)となりました。
法人消費税については、5万7千件(同94%)の実地調査を行い、このうち消費税の非違があった法人は3万4千件(同96.5%)、追徴税額は1,095億円(同80.7%)となりました。
国税庁では、虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得ていると認められる法人を的確に選定し、無申告法人に対しては資料情報の収集・活用を図って、厳正な調査を実施しております。
令和5事務年度は、消費税還付申告法人のうち5,425件(同93.4%)に実地調査を行い、消費税390億円(同69.3%)を追徴課税しました。
また、同事務年度において、事業を行っていると見込まれる無申告法人に実地調査を行い、法人税115億5,500万円(同121.9%)、消費税103億3,900万円(同98.1%)、合計218億9,400万円(同109.4%)を追徴課税しました。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和7年3月10日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。