京都市は1月中旬に、市内のホテル・旅館を利用した宿泊客に課す宿泊税について、1人1泊当りの上限を1千円から1万円に引き上げると発表しました。条例改正案を2月の市議会に提出します。成立すれば定額制で全国最高額。税収は現在の倍以上となる126億円となる見込み。宿泊税での税収はオーバーツーリズム(観光公害)対策などに充てるとしています。
京都市は2018年10月に宿泊税を導入。宿泊料金に応じて200円~1千円の3段階で課税しています。23年度の宿泊客数は約1,474万人で、同年度の税収は過去最高の約52億円でした。今回の改正案では、税額の区分を現行の3段階から5段階に細分化。1人1泊10万円以上は1万円に引き上げます。一方で、1人1泊6千円未満に課す最少額の200円は据え置きます。6千円~2万円未満の宿泊料金には400円、2万円~5万円未満には1千円、5万円~10万円未満には4千円を課します。ただし、修学旅行生への課税免除は継続。2月の市議会に条例改正案を提出し、成立すれば来年3月の施行を目指す方針。オーバーツーリズムによって交通渋滞やごみの散乱などの問題が深刻化していることから、税収は京都駅の混雑緩和や観光地のごみ対策のほか、景観保全などに充てるとしています。
松井孝治市長は同日の記者会見で、「市民が観光客を迎えてよかったと実感できる環境づくりに取り組む」としたうえで、「京都のまちの持続可能性を高めたい。関係者の皆さまにはご負担になるが、理解とご協力をいただきたい」と述べ、市内の観光事業者に理解と協力を求めました。
<情報提供:エヌピー通信社>