エヌピー通信社:e-Tax 法人利用率ついに9割

 国税庁は2022年度のe-Tax(電子申告)の利用実績を発表しました。法人税での利用率はついに9割を突破し、個人の所得税でも利用者数は右肩上がりに増え続けています。コロナ禍で普及した非対面式の税務申告は、いよいよスタンダードな手段となりつつあります。

 22年度の法人税の税務申告でe-Taxを利用した企業の割合は、前年から3.2ポイント増えて91.1%となり、9割を突破しました。法人の消費税でも前年比1.6ポイント増の90.3%で、こちらも 初の9割台を記録しています。法人税の件数ベースでは前年から5.3%増の270万5,404件となり、法人税の申告にe-Taxを利用する法人は増え続けています。

 また個人の所得税を見てみると、e-Taxの利用件数は1,691万7,255件で、前年度から10.6%の著しい増加を示しています。22年分の確定申告では、会場への来場や税理士への依頼をせずに自宅からe-Taxで申告をした人は208万3千人に達し、税務署の確定申告会場で申告書を作成・提出した人数の3倍超に上っています。

 そのほかの税目でのe-Tax利用率は、個人の消費税申告69.9%(前年比1.5ポイント増)、給与所得の源泉徴収票など71.1%(同1.8ポイント増)、納税証明書の交付請求19.4%(同6.5ポイント増)などが伸びました。

 電子申告を巡っては、18年度税制改正で大企業の全税目での電子申告が義務化され、様々な面で利便性向上のための施策が講じられています。22年度だけでも、確定申告期以外の土・日・祝日のe-Tax受付の開始、マイナンバーカードの読み取り回数の削減、スマートフォンによる青色申告決算書や収支内訳書の作成、自身の情報が確認できるマイページの開設などが行われました。

 また来年の確定申告からは、マイナポータルと連携して自動入力できる情報に、小規模企業共済の控除証明書、国民年金基金の控除証明書などが追加されることが決まっています。
<情報提供:エヌピー通信社>