エヌピー通信社:コロナ倒産 3カ月残して昨年超え

 新型コロナを理由として今年に入って倒産した企業は9月までに2,429件に達し、今年残り3カ月を残した時点で昨年を超えたことが分かりました。コロナ関連倒産は昨年からじわじわと増加傾向にあります。無利子無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が始まったことで資金繰りに苦しむ事業者も増えるなか、資材高騰や人手不足など事業者を取り巻く環境はますます不透明さを増しつつあります。

 東京商工リサーチによれば、9月末までに新型コロナ関連の理由で経営破たん(負債1千万円以上)した事業者は累計で7,272件となりました。すでに今年に入って2,429件が破たんしていて、この時点で前年の年間2,282件を超えています。一昨年からは実に4割増となりました。なお集計の対象外となる負債1千万円未満の小規模倒産も、これまで累計で357件判明しています。

 国内の企業数358万9,333社に占める割合をみると、コロナ倒産率は0.212%で500社に1社が破たんした計算となります。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.3685%で、宮城県の0.317%、福岡県の0.304%と続いています。

 業種別では、来店客の減少、食材や光熱費の高騰などで打撃を受けた飲食業が最多で1,175件に及びます。次いで工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が884件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の513件に達しました。このほか飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業でも295件、食品製造で213件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル・旅館の宿泊業で203件のコロナ倒産が確認されました。
<情報提供:エヌピー通信社>