エヌピー通信社:インボイス対応IT補助金 迫る最終締切

 インボイス制度への対応に特化したIT導入補助金「デジタル化基盤導入枠」の申込期日が来年1月に迫っています。会計ソフトや受発注ソフト、クラウド利用料などインボイス制度にかかわるITツールの導入費用につき最大350万円の支援が受けられるうえ、採択率は8割超という〝大盤振る舞い〟の補助金です。

 来年10月に始まるインボイス制度では、請求書の入力およびチェック、さらに管理にかかる事務が煩雑になります。これまで処分可能だった3万円未満の請求書や自社が発行した請求書の控えについて原則として保存しなければならなくなり、保存する枚数が物理的に増えるためです。また、新たな請求書の記載内容として、①インボイス発行事業者であることを示す13桁の登録番号、②消費税の軽減税率制度に基づく適用税率、③税率ごとに区分した消費税額――の3つが加わり、チェックにかかる手間も増加します。

 インボイス制度に対応したソフトウエアを浸透させることを目的に今年3月に新設されたのがIT導入補助金のデジタル化基盤導入枠です。補助対象が事業者向けITツール全般にわたる通常枠と異なり、デジタル化基盤導入枠では会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフト、クラウド利用料といったインボイス制度にかかわるものに限定されているものの、補助率が最大4分の3(通常枠は2分の1)に引き上げられています。また、レジスターや発券機など特定のハードウエアについても補助対象になります。

 さらに、採択率が通常枠を大幅に上回っているのも特徴。通常枠における採択率は4~5割程度ですが、デジタル化基盤導入枠では恒常的に8割を超えていて、9割近くに達することもあります。いまだ反対の声の根強いインボイス制度をなんとしても円滑に導入したい国による大盤振る舞いになっている状況がうかがえます。

 残された申請のチャンスはわずか2回。直近の17次締め切りは12月22日で、最終締め切りは来年1月19日の予定となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>