国税庁等:2021年度の再調査の請求・訴訟等の概要を公表!

 国税庁・国税不服審判所は、2022年3月までの1年間(2021年度)の再調査の請求や審査請求、訴訟の概要を公表しました。
 それによりますと、再調査の請求・審査請求・税務訴訟を通しての納税者救済・勝訴割合は10.7%となりました。

 納税者が国税当局の処分に不満がある場合は、税務署等に対する再調査の請求や国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度や、訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度があります。 
 再調査の請求の発生件数は、消費税等(42.3%増の427件)などが大きく増加したことから、全体では前年度から11.9%増の1,119件となりました。
 処理件数は、「取下げ等」283件、「却下」57件、「棄却」775件、「一部取消」80件、「全部取消」3件の合計1,198件(前年度比19.9%増)ありました。
 納税者の主張が一部でも認められたのは計83件あり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度(10.0%)から3.1ポイント減の6.9%でした。

 また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、法人税等(63.5%増の538件)など、ほとんどの税目が増加したことから、全体では前年度から9.9%増の2,458件ありました。
 処理件数は、「取下げ」294件、「却下」73件、「棄却」1,539件、「一部取消」137件、「全部取消」160件あり、納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は前年度比3.0ポイント増の13.0%となりました。

 一方、訴訟となった発生件数は、所得税(5.4%増の59件)や消費税(66.7%増の25件)、徴収関係(45.8%増の35件)など多くの税目が増加したことから、全体では前年度を13.3%上回る187件ありました。
 訴訟の終結件数は、「取下げ等」11件、「却下」17件、「棄却」158件、「国の一部敗訴」6件、「国の全部敗訴」7件の合計199件(前年度比10.6%増)で、国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同1.3ポイント減の6.5%となりました。
(注意)
 上記の記載内容は、令和4年8月17日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。