エヌピー通信社:e-Taxの法人利用率が9割に近づく

 国税庁が2021年度のe-Tax(電子申告)の利用実績を発表しました。法人税での利用率は9割に近づき、個人の所得税でもすでに過半数がe-Taxを使った申告となっています。コロナ禍で対人機会を減らしたいと考える人が多いなか、人に対面で会わずに済むe-Taxが普及している状況です。

 21年度の法人税の税務申告でe-Taxを利用した企業の割合は、前年から1.2ポイント増えて87.9%となり、いよいよ9割台が見えてきました。法人の消費税でも前年比3.0ポイント増の88.7%で、こちらも着実に利用率を伸ばしています。件数ベースでは前年から5.9%増の256万8,391件となり、法人税の申告にe-Taxを利用する法人が初めて250万を突破しました。 

 また個人の所得税を見てみると、e-Taxの利用件数は1,529万1,265件で、前年度から7.5ポイントの増加を示しました。21年分の確定申告では、会場への来場や税理士への依頼をせずに自宅からe-Taxで申告をした人が442万人に達し、税務署の確定申告会場で申告書を作成・提出した人の数を初めて上回っています。

 そのほかの税目でのe-Tax利用率は、個人の消費税申告68.4%(前年比0.6ポイント増)、給与所得の源泉徴収票など69.3%(同2.6ポイント増)、納税証明書の交付請求12.9%(同2.0ポイント増)などが伸びました。一方で減ったのは、電子申告・納税等開始(変更等)届出書の前年比マイナス0.6ポイント減や、酒税のマイナス0.1ポイント減となっています。

 電子申告を巡っては、18年度税制改正で大企業の全税目での電子申告が義務化されています。財務省が策定した基本計画では、大法人に義務化した電子申告を将来的には中小法人へも拡大するよう言及しており、税申告の全面電子化への足場固めは着実に進んでいます。
<情報提供:エヌピー通信社>