国税庁:2020事務年度の無申告者に対する実地調査結果を公表!

 国税庁は、2020事務年度の無申告者に対する実地調査結果を公表しました。
 それによりますと、2020事務年度(2020年7月から2021年6月までの1年間)において、高額・悪質と見込まれた無申告者に対する実地調査が2,993件(前事務年度7,328件)行われました。

 無申告者は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすことになるため、的確かつ厳格な対応が求められ、無申告者はその存在自体の把握が難しいことから、国税当局は、有効な資料情報の収集や活用を図り、積極的に調査を実施しております。
 そして、実地調査(特別・一般)の結果、申告漏れ所得金額の総額は768億円(前事務年度1,583億円)把握し、追徴税額は、総額で87億円(同174億円)、1件あたりでは292万円(同237万円)となりました。

 2020事務年度は、実地調査(特別・一般)全体で1万8,713件行われたことから、全体の約16%が無申告者に対する調査に充てられ、実地調査(同)全体の申告漏れ所得金額2,770億円の約28%が無申告者に係るものとなりました。

 1件あたりの申告漏れ所得金額は2,565万円となり、前事務年度の2,160万円から18.8%増加しました。
 また、消費税の無申告者に対しては、2020事務年度において実地調査(特別・一般)3,294件(前事務年度8,329件)が行われた結果、追徴税額は75億円、1件あたり227万円となりました。
 同事務年度の消費税に係る実地調査(同)全体は9,301件行われており、全体の約35%が無申告者に対する調査に充てられ、消費税の実地調査(同)全体の追徴税額127億円の約59%が無申告者に係るものとなりました。

 調査事例では、実質的に支配する法人から貸付金返済の名目で借名口座に振り込み、虚偽の外形を作っていた事案が挙がっております。
 プログラマーAは、FXや暗号資産に関する自動売買プログラムや分析ツール等の商材ソフトの開発販売を行っていましたが、部内資料や投書等の情報から、事業所得の無申告が把握されました。
 調査の結果、Aに対して、所得税3年分の申告漏れ所得金額約2億100万円について、追徴税額(重加算税含む)約1億900万円が課されました。
(注意)
 上記の記載内容は、令和4年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。