国税庁:2020年分の国外財産調書の提出状況を公表!

 国税庁は、2020年分の国外財産調書の提出状況を公表しました。
 それによりますと、2020年12月31日時点の国外財産の保有状況を記載した2020年分の国外財産調書は、提出件数は前年比6.4%増の1万1,331件で7年連続増加し、その総財産額は同2.6%減の4兆1,465億円となりました。

 局別にみてみますと、「東京局」7,216件(構成比63.7%)、「大阪局」1,663件(同14.7%)、「名古屋局」815件(同7.2%)となりました。
 総財産額でみてみますと、「東京局」は3兆161億円にのぼり、全体の72.7%を占め、東京・大阪(13.8%)・名古屋(5.2%)の3局で9割強を占めました。

 また、財産の種類別総額では、「有価証券」が51.2%を占める2兆1,225億円で最多となり、「預貯金」7,208億円(構成比17.4%)、「建物」4,523億円(同10.9%)、「貸付金」2,010億円(同4.8%)、「土地」1,467億円(同3.5%)のほか、「それ以外の財産」が5,032億円(同12.1%)となりました。

 国外財産調書提出制度は、その年の12月31日においてその価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する居住者は、翌年3月15日までにその財産の種類や数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、税務署長に提出しなければならないという制度です。
 なお、2022年度税制改正において、提出期限が翌年の6月30日になるなど見直しが行われる予定となっております。

 同制度は、個人を対象に2014年から義務化されましたが、国外財産調書は、自主的に自己の情報を記載し提出するものであることから、インセンティブ措置等が設けられております。
 具体的には、
①調書を期限内に提出した場合に、記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を軽減(5%減)する
②調書の提出がない場合又は提出された調書に国外財産の記載がない場合に、その国外財産に関して所得税の申告漏れが生じたときには、加算税を加重(5%増)する

 また、2015年からは故意の不提出や虚偽記載に対して1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されますので、ご注意ください。
(注意)
 上記の記載内容は、令和4年4月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。