国税庁は、2020年度租税滞納状況を公表しました。
 それによりますと、2021年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が22年ぶりに増加しました。

 この要因として、新型コロナウイルス感染症の経済対策で特例猶予制度が適用され、滞納の新規発生が抑えられていた分が、猶予期限を過ぎて上積みされたことなどが挙がっております。
 そのため、新規発生滞納額は前年度に比べて7.0%増の5,916億円、整理済額が5,184億円(前年度比14.9%減)と新規発生滞納額を大きく下回ったことから、2021年3月末時点での滞納残高は9.7%増の8,286億円となりました。
 ただし、2021年3月までの1年間(2020年度)に発生した新規滞納額は、最も新規滞納発生額の多い1992年度(1兆8,903億円)の約31%まで減少し、2020年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額)は前年度と同様の0.9%となりました。
 そして、滞納残高はピークであった1998年度(2兆8,149億円)の約29%までに減少しております。

 税目別にみてみますと、消費税は、新規発生滞納額が前年度比7.9%増の3,456億円と5年ぶりに増加し、税目別では16年連続で最多となり、全体の約58%を占めました。
 一方、整理済額は2,879億円となり、前年度比を下回ったため、滞納残高は21.6%増の3,245億円と21年ぶりに増加しました。
 なお、2020年4月30日に施行された「納税の猶予制度の特例」を適用中の国税は、滞納には含まれておりません。

 そして、国税庁では、以下により、滞納を効果的・効率的に処理していくとしております。
①新規滞納に関しては、全国の国税局(所)に設置している「集中電話催告センター室」での整理
②処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となって訴訟を提起して整理
③財産を隠ぺいして滞納処分を免れる案件については、国税徴収法の「滞納処分免脱罪」による告発で整理するとしております。
 今後の動向に注目です。
(注意)
 上記の記載内容は、令和3年9月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。