日本商工会議所は、「中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査」結果(有効回答数3,850社)を公表しました。
それによりますと、2019年10月の消費税率引上げ後の売上について、60.7%の事業者は不変としたものの、33.1%の事業者は売上減少と回答しました。
また、2020年に入ってからの新型コロナウイルス感染症の発生・拡大・蔓延により、83.7%の事業者は売上減少と回答しております。
消費税率引上げと新型コロナウイルス感染症の影響によって、今後も売上の大幅減少が続くとみている事業者は70.9%に及んでおります。
取引形態別でみてみますと、BtoC事業者の方が、消費税率引上げや新型コロナウイルス感染症の影響をより強く受けており、消費税率引上げ後に売上が減少したと回答した事業者の割合は、BtoB(26.2%)よりもBtoC(36.6%)のほうが10ポイント以上多い結果となりました。
そして、2023年からスタートする「インボイス制度」の導入への準備状況・導入後の対応予定等については、「請求書等発行や経理・受発注等に係るシステムの入替・回収等を行っている」事業者は5.5%に過ぎず、65.8%の事業者がインボイス制度導入に向けて「特段の準備を行っていない」と回答しております。
また、同制度導入後の対応予定では、課税事業者の10.3%が「免税事業者との取引は(一切または一部)行わない」、同6.7%が「経過措置の間は取引を行う」と回答し、免税事業者との取引を見直す意向を示しております。
免税事業者の20.4%は「課税事業者になる予定」である一方、時間的にまだ猶予があることから57.9%の事業者が「まだ分からない」としております。
免税事業者が課税転換する際の課題等では、「売上が確保できるか分からない」が50.2%で最も多く、以下、「事務負担に対応できない」が38.9%、「資金繰りが難しい」が36.1%と続きました。
(注意)
上記の記載内容は、令和3年1月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。