会計検査院の調査で、本来は課税の対象ではない完全子会社などから親会社への配当金を源泉徴収し、税金から利子を加算して還付したケースが2017~19年度にのべ888社で見つかりました。加算金は約3億6500万円超に膨らんでいて、税金を確実に取るはずのシステムが巨額の無駄につながっていることが明らかになっています。事態を重く見た検査院は、財務省に改善を要求しました。

 国は10年以降の税制改正で、完全子会社や関連会社からの配当は原則全額を課税の対象外にしましたが、源泉徴収は実務上すべての配当金を対象としてきました。必要以上に徴収していれば後に還付し、利子を付けることもあります。会社の規模が大きければ、還付金や加算金の額も膨らむ仕組みになっています。

 検査院は、完全子会社から配当金を受け取っていた親会社などのべ1667社のうち、実際に還付金が支払われた1262社を調べました。その結果、還付金額は計8898億円に上っていて、利子として支払われた加算金は888社に対して計3億6563万円もありました。このうち423社は、源泉徴収した全額が課税対象外の配当金でした。

 ソフトバンクグループ(SBG)は18年、傘下の中間持ち株会社が保有していたSB株を約16億株売り、利益として19年に約2兆円を配当金から受領。この際、約4千億円の所得税を源泉徴収で支払いましたが、最終的に同額を還付されました。SBG側への還付加算金は1億3千万円だったそうです。

 検査院は「そもそも課税対象外の配当金から源泉徴収しなければ、還付金や加算金は発生していない」とみて、財務省に「源泉徴収制度の効率性や有効性を高める検討」を求めています。
<情報提供:エヌピー通信社>