国税庁は、同庁ホームページにおいて、年末調整手続の電子化に関するパンフレットを公表しております。
それによりますと、年末調整手続きの電子化で業務の効率化ができるとして、従業員・勤務先双方のメリットを掲げて年末調整手続きの電子化を勧めております。
具体的に、年末調整手続きが電子化された場合は、
①従業員が、保険会社等から控除証明書等を電子データで受領
②従業員が、国税庁ホームページ等からダウンロードした年末調整控除申告書作成用ソフトウェアに、住所・氏名等の基礎項目を入力し、①で受領した電子データを自動入力、控除額の自動計算をして年末調整申告書の電子データを作成
③従業員が、②の年末調整申告書データ及び①の控除証明書等データを勤務先に提供
④勤務先が、③で提供された電子データを給与システム等にインポート(自動入力、控除額の自動計算)して年税額を計算することになります。
上記の年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)とは、年末調整申告書について、従業員が控除証明書等データを活用して簡便に作成できるソフトウェアをいいます。
なお、このソフトウェアは、勤務先に提出する電子データ又は書面を作成する機能を持っており、国税庁が無償で提供しております。
年末調整手続きの電子化によって、従業員は、これまでの手書きによる手続き(年末調整申告書の記入、控除額の計算など)を省略することができ、年末調整申告書の作成を簡素化することができます。
また、書面で提供を受けた控除証明書等を紛失した場合は、これまでは保険会社等に対して、再発行を依頼しなければなりませんでしたが、その手間も不要となるなど多くのメリットがあるとしております。
一方、勤務先は、従業員が年調ソフトで作成した年末調整申告書データを利用することにより、控除額の検算が不要となり、また、控除証明書等データを利用した場合、添付書類等の確認に要する事務が削減されるとしております。
さらに、従業員が年末調整申告書作成用のソフトウェアを利用して控除申告書を作成するため、記載誤り等が減少し、従業員への問合せ事務も減少することが期待されるなどのメリットがあるとしております。
(注意)
上記の記載内容は、令和6年10月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。