企業が金融機関から融資を受ける際の金利の平均値が、15年ぶりに上昇しました。いまだ低金利環境ではあるものの、日銀がとうとうマイナス金利政策の解除を決定したこともあり、「金利ある世界」で今後はさらに上昇していくことが予想されています。
帝国データバンクの調べによると、2022年度の企業の平均借入金利は0.98%で、前年度から0.01ポイントの上昇に転じました。これまでは07年度の2.33%をピークに21年度まで14年連続で低下していました。
近年では20年度に新型コロナ関連融資がスタートしたことで、実質無利子・無担保での融資が急拡大し、0.26ポイントの大きな下げ幅を記録しました。新型コロナ前の19年度と比較すると全ての都道府県で平均借入金利は低下しましたが、ここにきてポストコロナの上昇局面に入りつつあるようです。
22年度の平均借入金利はいまだ1%に満たない低水準ではあります。ただ3月19日には日銀がマイナス金利解除を決定していて、「すでに足元の貸出金利は上がっている」とする金融機関もあります。さらに新型コロナ関連融資の返済が進めば結果的に金利の上昇圧力にもなることから、「平均借入金利は今後さらに上昇する可能性が高い」と帝国データバンクは見ています。
<情報提供:エヌピー通信社>