エヌピー通信社:自筆証書遺言は外国語OK

 厚生労働省の人口動態統計によると、2022年に日本の役所に婚姻届を提出したカップルの約20組に1組は国際結婚となっています。夫婦の組み合わせで最も多いのは、夫が日本人で妻が中国人のケースだそうです。

 仮に中国出身の妻が日本で遺言を残したいと考えたとしましょう。妻は日本語が日常会話程度しかできず、法的効力を持つ遺言を日本語で書くのは不安。そのような場合、中国語で記した遺言書は有効なのでしょうか。

 結論から言えば、自筆、日付と氏名の記入、押印、変更履歴の記載などの「自筆証書遺言」の法律上の要件を満たしていれば、使用する言語は問われません。全文が日本語以外の言葉で書かれていても問題ありません。

 また公証役場で公証人が作成する「公正証書遺言」でも、外国語での作成は可能です。といってもこちらは、外国語で遺言の内容を口述して、日本語で作ってもらうことになります。通訳が立ち会って翻訳し、それを基に公証人が日本語の遺言を作成するため、日本語での作成に比べて手間がかかってしまう点は否めません。
<情報提供:エヌピー通信社>