国の「基金」の残高が膨張の一途をたどっています。国が基金ごとの執行状況を公表する「基金シート」によると、2024年度末の残高は17兆6,484億円で、23年度末の残高からは約1兆円減ったものの、コロナ禍前の19年度末の残高と比較すると約8倍の規模にまで膨らんでいます。
基金は複数年度にまたがる政策の財源を確保し、必要に応じて機動的に措置できるという利点があるとされます。その一方で、一度だけ予算計上されてしまえば国会の監視が行き届きにくくなるという弊害があり、税金の無駄遣いにつながるとの指摘も根強いところです。
政府が23年12月に決めた方針では、基金への新たな予算措置を最大3年分とし、増額にあたっては成果を分析して判断することとしました。このため24年度補正予算では新設基金をゼロとしたものの、既存の基金に対して充てる分として総額3兆4,574億円が計上されました。高市政権が編成した25年度補正予算では、「造船業再生基金」や「中堅企業等大規模成長投資促進基金」など7基金を新設し、既存の34基金へ充てる分と合わせて総額2兆4,682億円を計上しています。見かけ上、25年度補正は24年度補正よりも約1兆円少なくなっています。
しかし、24年度補正に2兆円超が盛り込まれたガソリン価格高騰対策と半導体支援は、ガソリン税の旧暫定税率の廃止と半導体特別会計の新設により、25年度の基金予算が大幅に圧縮されています。この2つの要因を除くと、25年度補正では実質的に約1兆円増えた計算となります。また、25年度補正には事業の中身が精査されたのか疑わしい事業もあります。「病床数適正化緊急支援基金」など3つの新設基金は、運営団体がどこになるのかといった基本的な方針が固まっていないまま補正が成立しました。
<情報提供:エヌピー通信社>













