エヌピー通信社:赤字国債法案年度内成立見通せず

 衆院解散・総選挙の影響で、政府・与党が通常国会に提出する予定だった特例公債法改正案の年度内成立が見通せなくなってきました。赤字国債の発行を5年間認める現行の特例公債法は3月末で期限を迎えます。物価高対策などの予算執行が滞る可能性もあります。

 財政法では原則として、歳入不足の穴埋めを目的とする赤字国債の発行を禁止しています。しかし、税収減による財政難などに対応するため、1975年に「特例公債法」が制定されて以降、慢性的な赤字国債の発行が続いています。

 政府・与党は昨年12月、赤字国債の発行に必要な特例公債法が2025年度末で期限を迎えることから、26年度から5年間延長する方針を固めました。税収だけでは社会保障費などの政策経費を賄えず、財源不足を補うためには赤字国債の発行が欠かせないためです。通常国会に法案を提出する予定で一部野党との調整・協議も進めており、国民民主党が法案の成立に協力する意向を示していました。

 政府・与党は衆院選挙後の特別国会で、特例公債法の期限を5年延長する法案の早期成立を目論んでいますが、野党側からは「5年延長」に慎重な意見が相次いでいます。予算案は衆院で可決してから30日間経過すれば、参院で可決されなくても自然成立する「衆院の優越」規定がありますが、特定公債法にはこの規定が適用されないため、与党が少数の参院では野党の協力がないと可決されない可能性があります。野党が赤字国債の発行を認める代わりに予算案の修正を求めるケースも想定されます。
<情報提供:エヌピー通信社>