エヌピー通信社:「震災復興緊急保証」基金に203億円剰余

 会計検査院はこのほど、東日本大震災で経営に影響を受けた中小事業者の資金繰りを支援する「震災復興緊急保証」をめぐり、中小企業庁からの補助金を積み立てた全国信用保証協会連合会の基金に203億6,589万円の余剰な資金が滞留していると指摘しました。検査院は経済産業省に対して改善処置を要求し、余剰分を国庫へ返納するように求めています。

 中企庁は2011年度、連合会の基金に697億円を拠出。連合会に加盟する全国の信用保証協会は、震災で被害を受けた中小事業者が金融機関から融資を受ける際に最大2億8千万円分を保証した上で、事業者が返済できなくなった場合、債務を弁済して基金から補填を受けます。

 24年度までの補填額は78億円となっています。連合会では20年度に、使う見込みのない300億円を国庫へ返納していましたが、残金の319億円のうち6割についても検査院では「余剰な資金が滞留している」「使用見込みが極めて低く、有効に活用されていないと認められる」と指摘しました。

 震災復興緊急保証は、岩手、宮城、福島の被災3県をはじめ、10県にまたがる特定被災区域などの中小事業者が保証付き融資を受けられる制度として11年5月にスタート。全国51の信用保証協会が債務保証しています。
<情報提供:エヌピー通信社>