国税庁:令和5事務年度における税務コーポレートガバナンスの取組みを公表

 国税庁は、税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月までの1年間)の取組みを公表しました。
 それによりますと、税務に関するコーポレートガバナンス(以下、税務CG)とは、税務について経営責任者などが自ら適正申告の確保に積極的に関与し、必要な内部体制を整備することをいいます。

 国税庁では、企業の税務コンプライアンスの維持・向上のためには税務CGを充実させていくことが重要かつ効果的としております。
 令和5事務年度の特官所掌法人の税務調査において、110法人の税務CGの状況の確認・判定を行ったところ、評価結果として「おおむね良好」が最も多く73法人(66%)、以下、「良好」が30法人(27%)、「改善が必要」は7法人(7%)となりました。
 評価結果を確認項目別にみてみますと、「良好」が多かったのは「経営責任者等の関与・指導」(89%)、「帳簿書類等の保存状況」(74%)、「税務に関する情報の周知」(71%)、「税務調査官への的確な対応」(61%)などとなりました。

 一方、「改善が必要」が目立ったのは、「税務調査での指摘事項等に係る再発防止策」(34%)、「税務(経理)担当部署等の体制・機能」(33%)、「税務に関する内部牽制の体制」(33%)となりました。

 なお、事例として、貯蔵品計上漏れ等の指摘の取組みが挙がっております。
 貯蔵品計上漏れをはじめとする「経費の過大計上(資産計上漏れ)」の誤りを過年度の税務調査において指摘されたため、経理部署が各事業部に、決算期末において未使用の物品等がある際は報告するよう注意喚起していたが、直近の税務調査においても各事業部からの報告漏れによる同様の誤り等が指摘された。
 そのため再発防止策として、全事業部署向け説明会を開催し、国税庁公表資料等を用いて税務CG充実の重要性を共有した。

 そのうえで、経理部署が事業部に対し、決算期末における未使用の物品の管理状況等に係るヒアリング・サンプルチェックを行い、「大規模法人における税務上の要注意項目確認表」の確認項目が適切に処理されているかの自主監査や税務上の誤りやすい項目のアドバイスを実施したとあります。
(注意)
 上記の記載内容は、令和7年4月14日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。