エヌピー通信社:経産省が「インセンティブ報酬ガイダンス」公開

 経済産業省が「スタートアップの成長に向けたインセンティブ報酬ガイダンス~人材獲得のためのストックオプション活用術~」を公開しました。スタートアップ企業にとって、ストックオプションをはじめとするインセンティブ報酬は、人材獲得やそのリテンション(維持・保持)のために重要で効果的な要素となっています。「ガイダンス」では、インセンティブ報酬制度導入の意義と考え方、制度を導入したことによって成長を実現した企業の報酬制度事例紹介、ストックオプションに関する実務上の論点、実務手続などをコラムも交えて分かりやすくまとめています。

 国は、とくにスタートアップ企業の成長を支援する目的で、ストックオプションの権利行使時の経済的利益には課税せず、株式売却時まで課税を繰り延べるストックオプション税制を整備しています。2024年度税制改正でも「年間権利行使価額の限度額の引き上げ」が行われるなど制度の拡充がなされました。

 適用要件も緩和されています。同税制では原則として「付与決議日後2年を経過した日から付与決議日後10年を経過する日まで」に権利を行使することが必要とされていますが、23年度の税制改正により、設立から5年未満の非上場会社の場合には、権利行使期間が「付与決議日後2年を経過した日から付与決議日後15年を経過する日まで」に延長されています。

 今回、経産省が公開した「ガイダンス」は、①インセンティブ報酬制度導入の意義と考え方、②成長を実現した企業の報酬制度事例紹介、③ストックオプションに関する実務上の論点、④ストックオプションに関する実務手続――の4項目からなるもの。制度を導入したメルカリやスマートニュースなど、スタートアップ型企業の実例も交えて分かりやすく紹介しています。
<情報提供:エヌピー通信社>