関西経済連合会(松本正義会長)は10月中旬、「社会保障を中心とする税財政に関する提言」を公表しました。「中長期的な視点に立った社会保障制度・税財政に関する提言」と「2025年度税制改正に関する要望」がそれぞれ取りまとめられ、社会保障制度・税財政に関する提言では、年金以外の所得が高い高齢者への老齢基礎年金の支給額削減や支給停止を求めています。
提言では、健全な財政構造の構築に向けて「高齢化の進展等に伴い膨張してきた社会保障費の見直しが重要」と指摘。必要とされる程度に応じた給付・負担とするために「年金以外からの所得が一定以上の高齢者を対象とした老齢基礎年金の支給額の逓減あるいは支給の停止」と「公的医療保険における疾患の重篤度や発病確率に応じた自己負担割合への見直し」が必要として、高所得高齢者の負担増を提言しました。
社会保障制度・税財政に関する提言ではほかに「現役世代の負担軽減に向けた公的医療保険における自己負担の見直し(全世代原則同率負担)」、「公的医療保険・介護保険における標準報酬月額の上限引き上げ」を主張。社会保障費の伸びを抑制する仕組みづくりに向けては「医療・介護の給付費(対GDP比)に関する目標の設定」、「医療の保険料率のさらなる引き上げを抑える仕組みに関する検討」の必要性を訴えました。
また、2025年税制改正への要望としては、①企業の成長力強化の後押し、②所得拡大の後押し、③地域活性化の後押し――の3本柱を掲げました。
<情報提供:エヌピー通信社>