国税庁はこのほど、2025年度予算案の概算要求と、機構・定員についての要求をまとめ発表しました。一般会計の概算要求額は24年度当初予算と比べて4.5%増となる6,445億6,700万円。定員は674人の増員を求める一方で、合理化目標数が552人とされていることから、純増要求数は122人となりました。24年度末時点での国税庁の定員は5万6,380人。機構要求では、「消費税の不正還付への対応」「インボイス制度の円滑な実施への対応」を図るための体制整備などを求めています。
一般会計の概算要求額6,445億6,700万円のうち「人件費」が前年度比4.4%増の5,618億円で、全体の87.2%を占めています。事業経費では、「職場環境整備・安全対策経費」を前年度比28.2%増の90億3,500万円、「酒類業振興事業経費」を同67.2%増の34億8,100万円として大幅に増額する一方で、「納税者利便性向上経費」は同4.1%減の27億2,100万円、「税制改正関係経費」は同21.1%減の21億900万円に減らしました。前年度(24年度)の概算要求総額は、23年度比3.5%の減額となる緊縮要求でしたが、今回は一転して増額を求めたかたち。
定員は「消費税の不正還付への対応」「インボイス制度の円滑な実施への対応」などを強化するため約674人の増員を要求。合理化目標数552人との増減を合計すると純増員数は122人となります。前年度は1,191人の増員を要求する一方で、合理化目標数を1,140人としていたため、純増要求数は51人でした。
機構要求では、「酒類業振興のための体制整備」として、国税庁に「鑑定参事官」のポストを新設します。また、「経済社会のデジタル化・グローバル化に伴う調査・徴収事案の複雑・困難化への対応」を図るため国税庁に課長補佐を置くほか、大阪局に国際監理官と特別国税徴収官、関信局に統括国税実査官、全国の国税局に国際税務専門官を配置。「業務センター室拡充への対応」としては、札幌・仙台・関信・東京・名古屋・広島・熊本の各国税局に統括国税管理官を置くほか、全国の国税局に主任国税管理官を配置します。
<情報提供:エヌピー通信社>