東京税理士会:2023年度における書面添付状況を公表!

 東京税理士会は、2023年度における書面添付状況を公表しました。
 それによりますと、調査結果(有効回答数599会員)のうち、対象期間(2022年7月から2023年6月の1年間)に、「書面添付制度を利用している」は182件(30.4%)あり、「利用していない」が417件(69.6%)となりました。

 書面添付件数4,744件を税目別にみてみますと、「法人税(消費税含む)」が2,713件で57.2%を占め、「申告所得税(消費税含む)」が1,640件(構成比34.6%)、「相続税」350件(同7.4%)、「贈与税」41件(同0.9%)となり、そのうち「税務調査となった」が33件、「意見聴取があった」が68件、書面添付について「報酬の請求をした」が274件(5.8%)となりました。

 書面添付している理由(複数回答)は、「税務調査の省略化」が67.6%で最多、以下、「業務品質の向上」(52.2%)、「税理士の権利」(42.3%)、「業務上の責任範囲を明確化」(41.8%)、「顧問先に対するアピール」(36.8%)、「金融機関に対するアピール」(11.0%)などが挙がっております。

 その他の理由(8.8%)では、「背景や計算根拠の説明が必要だった」、「申告書だけでは分からない詳細の説明」なども挙がっております。
 一方、書面を添付していない理由(複数回答)は、「時間や労力がかかり煩雑」が43.4%で最多となり、以下、「添付する効果が不明」(29.2%)、「報酬の請求が困難」(28.4%)、「科目内訳書及び概況書で充分」(25.0%)と続きました。

 今後の利用方針(複数回答)は、「納税者から要望があれば利用したい」(37.4%)、「税目によって利用したい」(30.2%)、「研修を受けてから利用したい」(13.0%)が挙げられ、「利用したくない」(12.9%)と続きました。

 書面添付制度をより一層周知・普及させるため有用だと思われる施策(複数回答)では、「事例集の充実」が48.9%で最多となり、以下、「制度の周知徹底」(38.9%)、「研修会の充実」(35.7%)、「納税者への周知用案内を作成」(31.9%)と続きました。
 今後の動向に注目です。
(注意)
 上記の記載内容は、令和6年4月15日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。