財務省は、2022年度租税特別措置の適用実態調査結果報告書を公表しました。
それによりますと、2022年度(2022年4月から2023年3月まで)に終了した事業年度又は連結事業年度において、適用額明細書の提出があった法人数は約146万法人(2021年度約142万法人)で前年度から2.7%増加し、適用件数は法人税関係の租税特別措置81項目(同81項目)については、約235万件(同約223万件)となり、同5.5%増加しました。
租税特別措置の主な種類ごとにみてみますと、中小企業への軽減税率(資本金1億円以下の中小企業には年800万円以下の所得に特例で15%(本則の軽減税率は19%)の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)が、適用件数が約106.8万件(2021年度比3.2%増)、適用額が4兆4,357億円(同3.3%増)で最多となりました。
また、「税額控除」(17措置)は、適用件数が約27万件(同44.5%増)、適用額が1兆3,289億円(同40.8%増)となりました。
「税額控除」では、「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」が適用件数約21.5万件で前年度からは55.9%増加し、適用額5,150億円(2021年度比112.0%増)となりました。
「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」は約2.9万件(同2.1%増)、適用額189億円(同1.6%増)となりました。
「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」が約1.6万件(前年度比69.0%増)、適用額が7,636億円(同17.0%増)となりました。
「特別償却」(27措置)は適用件数約3.9万件(2021年度比8.5%減)、適用額(特別償却限度額等)8,369億円(同0.8%増)となりました。
上記の主な内訳は、「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」が約2.1万件(同8.0%減)、適用額1,814億円(同6.2%減)、「中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却」が約1.5万件(同7.7%減)、適用額5,005億円(同2.5%増)となりました。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和6年3月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。