国税庁は、同庁ホームページ上において、調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例を公表しております。
それによりますと、実地調査以外で把握したものを集計し、誤りが多い順にその状況を取りまとめたもので、最も誤りが多いのは、外国税額控除等に関する誤りで、別表六(二)の「その他の国外源泉所得に係る当期利益又は当期欠損の額」欄の金額が、税引後の金額になっていなかった、外国法人税に該当しない税を記載していたなどの誤りが挙がっておりました。
次いで誤りが多かったのは、法人税額及び地方法人税額の計算に関する誤りで、別表一の「中間申告分の法人税額」欄及び「中間申告分の地方法人税額」欄に、中間申告分の税額を正しく記載していなかった、事業年度終了時における資本金又は出資金額が1億円超であるにもかかわらず、年800万円以下の所得について、軽減税率を適用していたなどの誤りでした。
その次に誤りが多かったものは、所得金額の計算・利益積立金額等の計算に関する誤りでした。
具体的には、貸借対照表の任意引当金等の金額が、別表五(一)の④欄(差引翌期首現在利益積立金額)の金額と一致していなかった、前事業年度以前に所得金額に加算した有価証券等の評価損の額について、当事業年度に売却等の減算事由が生じたものを減算していなかったなどの誤りでした。
この他、誤りの多い順として、受取配当等の益金不算入に関する誤り、租税公課の納付状況等に関する誤り、役員給与等に関する誤り、減価償却資産の償却額の計算に関する誤り、特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する誤り、その他の法人税額の特別控除に関する誤り、試験研究を行った場合の法人税額の特別控除に関する誤りが続きました。
国税庁では、これらの誤りについて、同庁ホームページに掲載されている「申告書確認表」を活用することにより、未然に防止することが可能であるとし、申告書の自主点検の際には「調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例」を参照するとともに「申告書確認表」を活用するよう呼びかけております。
(注意)
上記の記載内容は、令和5年12月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。