エヌピー通信社:Jリーグ〝助っ人外国人〟の申告漏れ

 サッカーJリーグの複数クラブに対して、国税局が申告漏れを指摘していたことが分かりました。いわゆる「助っ人外国人」選手について、所得税や住民税が契約実態に見合わっていなかったケースが複数見つかったそうです。

 税法では、1年のうち生活の本拠であったり長く居たりする場所を住所または居所として扱い、それが国内にあれば「居住者」として、なければ「非居住者」として扱います。非居住者であれば約20%の所得税を源泉徴収して完結しますが、居住者であれば最高45%の累進税率が課され、さらに10%の住民税もかかり、税負担には大きな差が出ることとなります。

 居住者か非居住者かの判定には明確な基準がなく、過去にも納税者と当局の間で多く争われてきたポイントです。この点につきJリーグでは、外国人選手は1シーズンのみの契約で帰国するケースがかつては多かったことから、非居住者として扱いクラブ側が源泉徴収分も負担することで税務処理するという〝慣習〟が通用してきました。過去には、1999年6月にJリーグと日本野球機構(NPB)が国税庁に確認したところ、シーズンオフに居住場所を引き払う、契約が1年以下、家族の帯同がないことという3条件のすべてを満たせば非居住者として扱ってよいとされたとのことです。

 しかし近年では、海外クラブからの引き抜きに対応するためなどの理由から外国人選手と複数年契約を結ぶケースも増え、これが当局から「居住者に該当する」と判断された模様。一部報道では複数のJ1チームが指摘を受けたそうです。いずれも人数や金額などは明かしていませんが、すでに修正申告を済ませたとのことです。同様の事例は他のクラブでも確認されることから、リーグ側は全60クラブに対して居住と非居住に関する要件の確認徹底と適正な税務対応を改めて求めました。
<情報提供:エヌピー通信社>