日本チェーンストア協会は、2024年度税制改正要望を公表しました。
それによりますと、2023年10月から開始されるインボイス制度についての見直しを重点事項の一つに挙げております。
同制度の導入に当たっては、電子取引等の要件整備や計算処理等に係るシステム改修や、取引先等との連絡調整等に係る膨大な事務に伴い、全事業者の理解と十分な準備に対する不安はもとより、制度開始後においても多種多様で膨大な取引への適切な対応を確保しなければならないことを考慮すると、実務への負担はあまりにも大きいことから、直ちに見直すべきとしております。
具体的には、まず免税事業者との取引において仕入税額控除ができないことは、生産・流通の段階で発生する消費税の累積を解消するための仕入税額控除制度の趣旨に反するのみならず、今後の取引において障壁となり得るとの考えを示しております。
その上で、免税事業者等からの仕入に対する経過措置について、改めて全額控除を可能とする措置を講じるよう要望しております。
また、銀行の振込手数料についても、インボイスの保存が仕入税額控除のため必要とされており、一定規模以下の事業者に対しては、支払対価が1万円未満の場合に6年間は帳簿保存による仕入税額控除が認められていますが、「事業者の規模によって振込手数料のような少額取引にまでインボイスを必要とするのは、過剰な事務負担を強いる」として、一律にインボイス不要とし、経過措置を恒久的措置に見直すことなどを要望しております。
その他の重要事項として、「消費税の軽減税率制度及び総額表示義務の廃止」や、「所得税減税の実施、税制・社会保障等諸制度の整合性をもった全体見直しと所得税の非課税限度額(103万円)と配偶者特別控除の合計所得金額の引上げ」、「電気・ガス・水道料金に係る消費税率引下げ、電気料金の高騰に対する支援措置の確保」、「制度変更への対応、ならびに環境・人手不足対策のための投資に係る優遇措置等の拡充・創設」、「印紙税の廃止」の5項目を盛り込んでおります。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和5年10月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。