日本損害保険協会は、2024年度税制改正要望を公表しました。
それによりますと、損害保険業の健全な発展を通じて、我が国経済の発展と国民が安心して暮らせる社会の構築に寄与していく観点から、損害保険に係る消費税制上の課題解決に向けて、確定拠出年金に係る税制上の措置や、地震保険料控除制度の充実、損害保険業に係る法人事業税の現行課税方式の継続、火災保険等に係る異常危険準備金制度の充実、国際課税ルールの改定における対応など全7項目を掲げております。
損害保険に係る消費税制上の課題解決に向けては、税率の引上げに伴って拡大される、損害保険に係る消費税制上の課題(「税の累積」・「税の中立性の阻害」)を解消する抜本的な対策を検討することを求めております。
確定拠出年金に係る税制上の措置では、確定拠出年金制度について、個人型年金及び企業型年金の積立金を対象とした特別法人税(2025年度末までは停止措置、税率は約1.2%)を撤廃することを要望しております。
地震保険料控除制度の充実は、2007年1月に制度創設され、控除限度額が所得税5万円、地方税2万5,000円の地震保険の更なる普及のため、保険料控除制度の充実策について検討することや、損害保険業に係る法人事業税の現行課税方式の継続は、既に収入金額を課税標準(100%外形標準課税)としている損害保険業に係る法人事業税について、現行課税方式を継続することをそれぞれ求めております。
その他、火災保険等に係る異常危険準備金制度の充実として、自然災害の激甚化・頻発化の中において、火災保険事業の安定的な運営を支える火災保険等に係る異常危険準備金制度について、より制度の効果を高める観点から、適用区分や洗替保証率等に関して、適切な見直しを行うことや、受取配当等益金不算入制度について、「二重課税の排除」の観点から議論を行うことも要望しております。
さらに、国際課税ルールの改定における対応として、国際課税ルールの見直しが行われる場合には、損害保険ビジネスの特性を踏まえ、正当な経済活動を阻害することがないよう、十分に留意することも要望しております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和5年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。