起業と雇用保険の特例延長申請

◆基本手当受給は原則1年、理由により3年
 雇用保険の基本手当の受給期間は離職した日の翌日から1年間です。この期間内に休職の申し込みや待期期間通算7日間、自己都合退職をした場合2か月の給付制限がかかり、失業認定日の出頭などを経て雇用保険の被保険者期間に応じた所定給付日数を受給します。
 受給期間が満了になると所定給付日数が残っていてもそこで終了になります。ただし、病気やケガ、妊娠、出産、育児などですぐに職業に就くことができない場合は受給期間の延長申請を行うことができます。
 本来の受給期間1年に病気などで働けない日数を加えることができ、加えることができる日数は最大3年です。

◆離職後に事業を開始した場合にも特例申請
 上記以外に離職後に事業を開始した場合でも特例申請(延長申請)できることになっています。この特例は令和4年7月1日以降に事業開始した場合が対象です。
 受給期間を延長できるようになると、もしその起業が失敗し休業や廃止をした場合でもその後の就職活動の再開にあたり事業開始前に適用されていた基本手当を再び受けることができます。
 これから起業して事業を始めようとする人が受給期間の延長を事前にしておこうとは思わないかもしれませんが、安心材料として、受給期間の延長手続をしておいてもよいと思います。

◆受給期間延長申請の要件
①事業の実施期間が30日以上であること
②事業を開始した日、事業に専念した日、事業準備に専念した日のいずれかから起算して30日を経過する日が受給期間末日以前である
③当該事業について就業手当や再就職手当は受給していない
④雇用保険資格取得をする者を雇入れる事業主か登記事項証明書、開業届の写し、事業許可証の写し等、客観的に事業の開始事業内容、所在地がわかる書類
⑤離職日の翌日以降に開始した事業、事業専念または、事業の準備に専念し始めた時からが対象である
 特例申請の手続は事業を開始した日の翌日から2か月以内に所轄のハローワークにて本人来所又は郵送で行います。