エヌピー通信社:マルサが暴いた脱税100億円

 国税局査察部(通称=マルサ)の〝お手柄〟を示す2022年度の「査察の概要」がこのほど発表されました。調査に着手した145件の事件のうち103件を告発し、告発した査察事案に係る脱税総額は100億円、1件当たりの脱税額は9,700万円でした。新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた21年度と比較して、告発件数と脱税総額はともに大幅に増加し、告発率は74.1%と06年度以来の高水準となりました。

 消費税事案では、輸出物品販売場を営む法人が国内で仕入れた化粧品を外国人観光客に販売したように装い架空の売上を計上した事案や、複数の法人がパワーストーンの仕入れがあったように装い、架空の課税仕入れを計上した事案などの不正受還付事案を多数告発しました。また、ウェブサイト上で競艇の予想情報を販売する個人事業者などの無申告事案や外国法人を利用して不正を行っていた大規模な国際事案を告発しています。

 脱税者の現金の隠し場所も写真とともに発表されています。銀行の貸金庫のほか、畳の下やウォーキングクローゼットの中など、生々しい脱税現場が明らかになっています。
 なお、年度中の一審判決61件全てに有罪判決が言い渡され、3人に対して実刑判決、うち査察事件単独で最も重いものは懲役1年4カ月、他の犯罪と併合されたものは懲役2年8カ月でした。
<情報提供:エヌピー通信社>