国税庁:2021事務年度の租税条約等に基づく情報交換事績の概要を公表!

 国税庁は、2021事務年度(2022年6月までの1年間)における租税条約等に基づく情報交換事績の概要を公表しました。
 それによりますと、我が国にとって4回目となるCRS(共通報告基準)に基づく非居住者金融口座情報(CRS情報)の自動的情報交換において、外国居住者の金融口座情報約65万件(口座残高約4.9兆円)を77ヵ国・地域に提供した一方、日本の居住者の金融口座情報約250万件(同14兆円)を94ヵ国・地域から受領しました。
 これらの情報は、富裕層による海外資産隠しなどの税務調査に利用されます。

 また、国税庁から日本に最終親会社等がある901グループのCbCR(国別報告事項)を60ヵ国・地域に提供した一方で、外国税務当局から2,246グループのCbCRを53ヵ国・地域から受領しました。
 CbCRの自動的情報交換は、OECD(経済協力開発機構)のBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動13「多国籍企業情報の文書化」)に基づくものです。

 受領したCbCRは、移転価格リスク評価その他のBEPS に関連するリスク評価及び統計に使用するとしております。
 その他、2021事務年度に国税庁から外国税務当局に発した「要請に基づく情報交換」の要請件数は639件(前事務年度638件)ありました。
 他方で、外国税務当局から国税庁に寄せられた要請件数は128件(同251件)ありました。

 また、「自発的情報交換」については、2021事務年度に国税庁から外国税務当局に提供した件数は73件(同106件)ありました。
 他方で、外国税務当局から国税庁に提供されたのは448件(同2万351件)と大幅に減少しました。
 国税庁では、経済のグローバル化に伴い、企業や個人の海外取引や海外資産の保有・運用形態が複雑・多様化する中で、CRSに基づく非居住者金融口座情報やCbCRの自動的情報交換、租税条約等の規定に基づく外国税務当局との情報交換を積極的に実施しております。
(注意)
 上記の記載内容は、令和5年4月7日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。