全国で増加傾向にある空き家問題に対処するため、国土交通省は空き家がある土地の固定資産税の優遇措置を見直します。有識者会議で明らかにしました。
土地への固定資産税は、住宅が建っていれば住宅用地の特例として、住宅の規模や種類に応じた減税措置を受けられます。一方、放置すると倒壊の恐れがあるなどと自治体が判断した場合には「特定空き家」に指定され、減税対象からは外れます。国交省の検討案では、この特定空き家に指定される前の段階でも、管理が不十分となっている空き家を減税対象から外せるようにします。
空き家を放置すれば倒壊の危険や犯罪の温床となるといった懸念から、自治体は個別に条例を制定するほか、空き家の活用を促進させるために借り手に空き家を紹介する「空き家バンク」などをつくって対策を取ってきました。2015年には「空き家対策特別措置法」が施行され、倒壊などの恐れがあること以外に、「衛生上有害となる恐れがある」「景観を損なう」「周辺の生活環境保全を図るために放置することが不適切」のいずれかに該当する場合、特定空き家に指定することができるようになり、自治体が所有者に対して撤去や修繕を命令できるように市町村の権限を強化しました。
しかし、国交省によると特定空き家に指定されていないが管理不十分とされる空き家は約24万戸に上るそうです。こうした空き家も税優遇の対象から外せるように新たな基準を設置する方向で検討します。通常国会に関連法の改正案の提出を目指します。
<情報提供:エヌピー通信社>