公益法人協会は、2023年度税制改正要望を公表しました。
それによりますと、(1)公益法人の活動基盤を強化し、公益活動を促進するための税制、(2)寄附文化を醸成し、寄附を通じて社会参加を促進するための税制を中心に要望しております。
上記(1)の要望については、近年、大規模災害等が増えていることから、天災発生時において被災者・被害者に対する支援活動を行う公益法人等への指定寄附金が速やかに適用できるように制度化することや、法人の寄附金に係る法人税法上の特別損金算入限度額について、拡大することや繰越控除を認めることなど、法人の寄附金特別損金算入限度額の拡充を求めております。
さらに、仕入控除税額を算出する際の消費税制の特例において、特定収入に該当しない寄附金等には、使途に関連する適正な管理費と行政庁が認めた場合は、その管理費を除いた金額分を対象とする取扱いとすることや、公益法人が実施する公益目的事業の用に供する土地、建物等不動産に係る固定資産税については、非課税措置を講じることなども挙げております。
また、上記(2)の要望については、現在2千円を超える寄附を行った場合、寄附金控除の算定にあたって、2千円円の控除が行われることとなっており、少額寄附に対する還付率の低いことが寄附を行うインセンティブの阻害要因の一部となっているとして適用下限額の撤廃や、公益社団・財団法人等に資産に係る贈与、遺贈を行った場合は、みなし譲渡所得から3,000万円を上限に特別控除できる特例の新設を盛り込んでおります。
上記のほか、2023年10月からスタートする消費税のインボイス制度について、今般の消費税改正の根幹にかかわることであり、経過措置も段階的に認め、事業者が新たな環境に対応する時間もとっていることは十分承知しているものの、公益活動を担う法人の中には小規模な団体も多く、取引先が免税事業者となる法人にとっては、インボイス制度の導入により税負担が増加するケースも想定されることから、経過措置の延長を求めております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和4年9月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。