国の2021年度の税収が前年度から6.2兆円増えて67兆379億円となり、2年連続で過去最高になったことを財務省が発表しました。新型コロナウイルス禍からの経済回復や、円安も寄与して企業収益が拡大し、法人税収や所得税収が伸びたことが大きく影響したほか、消費税収も堅調に伸びました。
財務省は21年度当初予算で税収57兆4千億円と計算していましたが、企業業績が好調だったことなどから上振れを見込み、21年末の補正予算で63兆8,800億円に修正。それを3兆円上回る結果となりました。
税収に占める割合の大きい「基幹3税」の税収は、消費税収21兆8,886億円(前年度比0.9兆円)、所得税収21兆3,822億円(同2.2兆円)、法人税収が13兆6,428億円(同2.4兆円増)でした。
上振れの要因は、伸び幅の大きい法人税です。法人全体の約6割を占める赤字経営の欠損法人はもともと課税対象ではありません。新型コロナのあおりを受けた飲食・サービス業などの中小・零細企業には赤字法人が多く、税収には影響が出なかったとみられます。一方、大企業や中堅企業など残りの約4割の法人の業績好調の傾向が続き、さらにコロナ禍からの回復で需要が増え、円安も後押ししたとみられます。企業の収益が上がった結果、配当所得が増えて所得税収の増加にもつながりました。
一方、歳出は新型コロナや物価高対策が盛り込まれた補正予算も積み重なった結果140兆円を超え、税収の2倍以上の規模となっています。税収の上振れなどから財務省は国債発行額を8兆円減額しますが、それでも借金に頼り切った財政運営は続いています。
<情報提供:エヌピー通信社>