ふるさと納税の仲介サイトを運営する事業者らが11月下旬、初めての事業者団体となる「ふるさと納税協会」を設立し、都内で総会を開催しました。制度の抜け穴を使った過度なポイント還元による寄付金集めが横行していることを踏まえ、ガイドラインを制定するなど自主規制を行っていくことを打ち出しています。
ふるさと納税を巡っては、過去に高額返礼品を利用した自治体間の競争が過熱し、2019年に返礼品を寄付金の3割以下とする上限が設けられた経緯があります。しかしこの規制は自治体を対象としているため仲介サイトは対象とならず、サイトが独自に寄付者に対して特典を用意することは制度上認められています。
そこで最近では、寄付額の1割をアマゾンギフト券で還元するなどのキャンペーンをうたい、多くの寄付者を集めている仲介サイトも出てきました。ふるさと納税の利用者が増えるに伴い、仲介サイトの数も増加。現在では仲介サイト間の〝返礼品競争〟が熱を帯びている格好です。
設立総会を開いたふるさと納税協会は、大手の「さとふる」、「楽天ふるさと納税」、「ふるさとチョイス」が代表理事となり、仲介サイトを運営する20者が加盟。同制度の創設を主導した菅義偉前首相も来賓として出席しました。団体は今後、ポイントの還元率の上限や還元率のPRの抑制などについて議論を行い、自主規制のガイドラインを制定する方針です。
ただ、先行する大手サイトとシェア拡大を狙う後発業者の間では、還元率の扱いを巡っても差があり、議論は難航しそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>