2021年度税制改正において、電子帳簿保存法の改正等が行われました。
国税庁は、経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等に資するため、抜本的な見直しを行い、その周知を図っております。
電子帳簿保存法は、原則、紙での保存が義務づけられている帳簿書類について電子データでの保存を可能とすることなどを定めた法律で主な改正事項は、以下の通りとなります。
電子帳簿等保存に関する改正事項では、税務署長の事前承認制度を廃止しました。
これまでは、電子的に作成した国税関係帳簿を電子データにより保存する場合には、事前に税務署長の承認が必要でしたが、事業者の事務負担を軽減するため、事前承認は不要とされました。
また、一定の国税関係帳簿について優良な電子帳簿の要件を満たして電子データによる備付け及び保存を行い、本措置の適用を受ける旨等を記載した届出書をあらかじめ所轄税務署長に提出している保存義務者について、その国税関係帳簿(優良な電子帳簿)に記録された事項に関し申告漏れがあった場合には、その申告漏れに課される過少申告加算税が5%軽減される措置が整備されました。
スキャナ保存に関する改正事項では、税務署長の事前承認制度が廃止され、タイムスタンプ要件、検索要件等について、タイムスタンプの付与期間が、記録事項の入力期間と同様、最長約2ヵ月とおおむね7営業日以内とされ、受領者等がスキャナで読み取る際の国税関係書類への自署が不要とされました。
また、相互けん制、定期的な検査及び再発防止策の社内規程整備などの適正事務処理要件が廃止されました。
電子取引に関する改正事項では、タイムスタンプ要件に係るタイムスタンプの付与期間及び検索要件に係る検索項目について「スキャナ保存に関する改正事項」と一部同趣旨の改正が行われたほか、基準期間の売上高が1,000万円以下である小規模な事業者について、税務職員による質問検査権に基づく電子データのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、検索要件のすべてが不要とされましたので、該当されます方はご確認ください。
なお、上記の改正は、2022年1月1日から施行されます。
(注意)
上記の記載内容は、令和3年8月6日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。