東京都が直営する中央卸売市場「食肉市場」が、東京国税局の税務調査を受けて約1億6,000万円の申告漏れを指摘されていたことが分かりました。本来は消費税のかからない取引である都債の返済を消費税が発生する「課税仕入れ」だと誤って処理したことが理由とのことです。追徴税額は過少申告加算税を含めて約1億2千万円で、都はすでに修正申告を済ませたとしています。
消費税は基本的に、仕入れ時に支払った消費税額と顧客から受け取った消費税額を比較し、支払ったほうが多ければ差額分の還付を受け、受け取ったほうが多ければ差額分を納めるという仕組みになっています。仕入れにかかった消費税を実際より多く申告すれば多額の還付金を受け取れることから、全国で不正還付が絶えません。また故意でなくても、今回のように消費税のかかる取引とかからない取引を間違えるケースが多く発生しています。
東京都によれば、食肉市場は運営資金を調達するために都債を発行し、その返済費として2016~18年度に利息を含めて約22億円を支払いました。その際に、元本返済部分を消費税のかかる課税仕入れとして申告したところ、都債の返済はそもそも消費税のかからない「不課税取引」であり、課税仕入れには含められないと国税局は指摘。課税仕入れとして計上していた部分を除外したことから、消費税額が約1億円増え、申告漏れと認定されました。都中央卸売市場財務課の担当者は、「国税当局の手引きなどに基づき、課税仕入れになると認識して申告したが、誤っていた」とコメントしています。
<情報提供:エヌピー通信社>