負債1千万円未満の企業倒産は、2020年度は前年度比20%増の616件に上り、00年度以降で最多だったことが東京商工リサーチのまとめで明らかになりました。コロナ禍で業績改善の遅れが目立つ中小・零細企業の厳しい実態が浮き彫りになりました。これまで最も多かった09年度の566件を上回っています。600件を超えたのも初めてのことです。

 産業別では、飲食業を含む「サービス業他」が302件(35.4%増)と最多で、全体のほぼ半数を占めました。酒場、ビヤホール、食堂、レストランなどの倒産が目立ちます。次いで「建設業」90件(9.8%増)、「小売業」60件(17.8%減)、「卸売業」55件(41%増)――の順でした。

 形態別では、破産が597件(19.6%増)を占めました。原因別で最多だったのは「販売不振」の456件(26.3%増)で、全体に占める構成比は74%で前年度よりも3.7ポイント上昇しました。「他社倒産の余波」が2番目に多く54件(6.8%減)でした。また「事業上の失敗」が30 件(9%減)ありました。東商リサーチは「コロナ禍で厳しい経営環境が続き、事業基盤の構築途上で業績低迷から抜け出せなかった企業が多かったようだ」とみています。

 資本金別に見ると、1千万円未満(個人企業他を含む)が572件(19.4%増)に上り、全体の92.8%を占めました。1千万円以上5千万円未満が43件(26.4%増)、5千万円以上1億円未満が1件(前年度は0件)あり、1億円以上は2年連続で発生しませんでした。

 コロナショック以降、国や自治体、金融機関による資金繰り支援は1年を経過しました。なおも収束を見通せない中、業績回復の遅れた企業は過剰債務を抱え、体力を消耗しています。過剰債務を解消する施策とともに、企業に寄り添った支援が求められています。
<情報提供:エヌピー通信社>