写真付きの本人確認書類として使えるマイナンバーカードの3月の申請件数が、過去最高となったことが分かりました。菅義偉首相が明らかにしたものです。保険証として使える仕組みの試験運用が始まったことなど徐々に利用範囲が広がっていることに加え、取得者に最大5千円分のポイントを還元する「マイナポイント」制度が取得を後押ししているとみられます。
経済財政諮問会議で菅首相は、「基本的なインフラであるマイナンバーカードは、3月に過去最高の約700万人の交付申請があった」と満足気に報告しました。
2016年にスタートしたマイナンバー制度ですが、申請に基づくカードの取得率は長くにわたり低迷し、普及率は2割未満にとどまってきました。そこで行政手続きのデジタル化を主要課題に挙げる菅政権は、カードの2年以内のほぼ全国民への普及を目標に掲げると、未取得者に対する申請書を郵送するなど、普及への手を打ち続けています。
そのなかでも効果を奏したとみられるのが、カード所有者がキャッシュレス決済を行うと最大5千円分のポイントが還元される「マイナポイント」事業です。昨年9月にスタートしましたが、申請期限の3月(最終的に期限は1カ月延長)が近づくにつれ、カードの申請数が急増しました。3月の交付枚数は過去最高の254万枚で、普及率は28.3%まで増加。さらに菅首相のいうとおり申請ベースの700万人分がすべて交付されると、普及率は36%まで上がります。
<情報提供:エヌピー通信社>