東京税理士会は、2020年度(2019年7月~2020年6月までの1年間)における書面添付制度アンケート結果を公表しました。
実施した会員(有効回答数378会員)によりますと、総申告件数2万6,722件のうち、「書面添付をしている」ものは2,756件となり、添付割合は10.3%となりました。
書面添付の件数については、「法人税(消費税含む)」が総申告件数1万1,775件のうち書面添付した件数が1,913件で16.2%、「所得税(消費税含む)」が同1万3,968件のうち書面添付した件数が573件で4.1%となりました。
また、「相続・贈与税」は同861件のうち書面添付した件数が270件で31.4%、「その他の国税」は同118件のうち書面添付した件数はありませんでした。
なお、書面添付したが、「税務調査となった」は40件ありました。
書面を添付している理由(複数回答)としては、「税務調査の省略化」が63.0%で最多、以下、「業務品質の向上」(59.7%)、「顧問先に対するアピール」(46.2%)となりました。
その他の理由(10.9%)として、「相続税は、内容が複雑で説明資料の添付が必須となる」などの目的で積極的に制度を利用しているとの意見もありました。
一方、書面を添付していない理由(複数回答)では、「時間や労力がかかり煩雑」が45.1%で最多、以下、「添付する効果が不明」(29.8%)、「報酬の請求が困難」(28.5%)、「科目内訳書及び概況書で充分」(25.8%)となりました。
今後の利用意向(複数回答)は、「納税者から要望があれば利用したい」(31.5%)、「税目によって利用したい」(27.5%)、「普及率によって利用したい」(10.8%)となり、「利用したくない」は10.8%となりました。
書面添付制度をより一層周知・普及させるため有用だと思われる施策(複数回答)は、「事例集の充実」が37.0%で最多、以下、「納税者への周知案内を作成」(25.1%)、「研修会の充実」(24.9%)、「制度の周知徹底」(24.9%)となりました。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和3年3月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。