国税庁は、スマートフォンの決済アプリで国が所管する税金を納付できるシステムを来年1月から導入する方針を決めました。確定申告する個人事業主や副収入のある会社員などの利用を想定していて、複数の決済サービス会社と準備を進めています。対面式の納税を避けることで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら、日本のキャッシュレス化推進にもつなげたい考えです。
国税の納付は銀行口座からの自動引き落としやコンビニエンスストア、クレジットカードで可能ですが、国税庁によると実際は金融機関や税務署の窓口を訪れて納税するケースがほとんどということです。今回の計画では、スマホやタブレット端末でアクセス可能な専用サイトを設置。税の種類や納税額などを入力して納税の手続きができるようにします。
対象になるのは主に所得税や贈与税で、車検の際に支払うケースが多い自動車重量税は除外する見通し。スマホ決済の利用限度額を踏まえ、納税額の上限は30万円とします。現在のクレジットカードによる納税ではポイントが加算されていて、決済サービスでも同様にポイントがたまることが期待されます。
決済アプリによる納税は、地方税の固定資産税や不動産所得税で、各地の自治体が先行しています。東京都は20年6月、「PayPay(ペイペイ)」と「LINEペイ」を使用できるようにしました。自宅に届く納付書に記載されたバーコードを読み取り、決済アプリによる支払い手続きに移る仕組みになっています。地方税は自治体が納税者に支払額を通知しますが、国税は申告制のため専用のサイトが必要になります。
<情報提供:エヌピー通信社>