納税の猶予の特例(特例猶予)とは?

 国税庁は、新型コロナウイルス感染症の影響により、納税が困難な納税者に対し、納税の猶予等の納税緩和措置を適切に適用していく方針としております。
 2020年4月30日の新型コロナ税特法の成立・施行により「納税の猶予制度の特例」(特例猶予)が創設されましたが、2020年9月30日までの5ヵ月間において、猶予申請を許可した件数が20万3,202件、猶予した税額が7,833億4,500万円(既存猶予制度の適用件数・税額や遡及申請分の一部が含まず)にのぼると同庁は公表しております。

 新型コロナウイルス感染症の影響に係る特例猶予は、2020年2月1日から2021年2月1日までに納期限が到来する所得税、法人税、消費税等ほぼすべての税目(印紙で納めるもの等を除く)が対象になりますが、このうち、既に納期限が過ぎている未納の国税(他の猶予を受けているものを含む)についても、遡ってこの特例を利用することができるとしておりますので、同制度の利用を検討される方はご確認ください。

 納税猶予制度の特例は、新型コロナ感染症の影響により2020年2月以降の収入に相当の減少があり、税金の納付が困難な事業者等に対し、無担保かつ延滞税なしで1年間納税を猶予するものをいいます。
 ちなみに既存の国税の猶予制度は、猶予期間中(原則1年間)は、延滞税が軽減(通常:8.9%/年、猶予期間中1.6%/年)されます。
 2020年2月以降の任意の期間(1ヵ月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること、一時に納税を行うことが困難のいずれも満たす納税者(個人法人の別、規模は問わず)が対象となります。

 なお、2020年9月までの5ヵ月間に納税を猶予した税額約7,833億円の内訳は、「消費税及び地方消費税」が4,763億6,100万円と全体の60.8%を占めて最多となり、次いで、「法人税」が2,195億6,400万円(構成比28.0%)、「所得税」が657億1,700万円(同8.4%、「源泉所得税」418億2,900万円、「申告所得税」238億8,800万円)、「その他の税目」が217億400万円(同2.8%)となりました。
(注意)
 上記の記載内容は、令和2年12月14日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。