自由民主党・公明党:「令和3年度税制改正大綱」閣議決定

 令和3年度税制改正大綱が2020年12月10日に閣議決定しました。
 主な改正内容は次の通りです。

●個人所得課税

• 住宅ローン控除
一定の期間(新築の場合、令和2年10月から令和3年9月30日まで、それ以外は令和2年12月から令和3年11月30日まで)の契約した場合、 令和4年末までの入居者も対象とする。 また、合計所得金額1,000万円以下の者について、床面積40㎡から50㎡までの住宅も対象とする。
•医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)の適用期限を5年延長する。
•教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の適用期限を2年延長する。
•土地に係る固定資産税の負担調整措置
①宅地等及び農地の負担調整措置について、令和3年度から令和5年度までの間、現行の負担統制措置の仕組みを継続する。
②令和2年度のおいて条例減額制度の適用を受けた土地は所要の措置を講じる。

●法人課税

• デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設
産業競争力強化法の改正法の施行日から令和5年3月31日までの間に事業適応設備を取得した場合、 取得価額の30%の特別償却と取得価額の3%の税額控除との選択適用ができる。
(注)税額控除額は、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制による税額控除額との合計で当期の法人税額の20%を上限とする。
• 試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)の見直し
税額控除率を見直し、その下限を2%(現行:6%)に引き下げたうえ、その上限を14%(原則:10%)とする特例の適用期限を2年延長する。
• 給与等の引き上げ及び設備投資を行った場合の税額控除制度の見直し
新規雇用者給与等支給額の新規雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が2%以上であるとき、 控除対象新規雇用者給与等支給額の15%の税額控除ができる制度とする。
この場合、教育訓練費の額の比較教育訓練費に対する増加割合が20%以上であるとき、 控除対象新規雇用者給与等支給額の20%の税額控除ができることとする。 ただし、控除税額は当期の法人税額の20%を上限とする。
• 繰越欠損金の控除上限の特例の創設
産業競争力強化法の事業適用計画(仮称)の認定を受けたもののうち、その事業適応(仮称)を実施する事業年度において、 特例対象欠損金額がある場合、その特例対象金額について欠損金の繰越控除前の所得の金額の範囲内で損金参入できることとする。
• カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設
産業競争力強化法の中長期環境適応生産性向上設備(仮称)又は中長期環境適応需要開拓製品生産設備(仮称)の取得等をして、 国内のある事業の用に供した場合、その取得価額の50%の特別償却とその取得価額の5%の税額控除との選択適用ができる。
(注)税額控除額は、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制による税額控除額との合計で当期の法人税額の20%を上限とする。
•中小企業者等の法人税額の軽減税率の特例の適用期限を2年延長する。
•中小企業における所得拡大促進税制について見直しを行い、適用期限を2年延長する。
• 中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設
中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称))の認定を受けた中小企業者が 他の法人の株式等の取得をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合、 その株式等の価格の低落による損失の備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として 積み立てたときは、その積み立てた金額をその事業年度において損金算入できることとする。

●納税環境整備

• 税務関係書類における押印義務の見直し
次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこことするほか、所要の措置を講ずる。
(1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類いのうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類
※上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用します。
• 電子帳簿保存制度の見直し
・国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度についての見直し
・国税関係書類に係るスキャナ保存制度についての見直し
・電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう)の取引情報に係る電磁的記録の保存制度のついての見直し
※詳細は「令和3年度税制改正大綱」をご覧下さい。