▼経過勘定には、次の4つがあります。
前払費用(資産勘定)・未収収益(資産勘定)
未払費用(負債勘定)・前受収益(負債勘定)
いずれも、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行っている場合で、時間の経過に伴い費用や収益となる場合に使用する勘定科目です。
例としては、利息・家賃・保険料等が代表的です。
●前払費用とは
未だ提供されていない役務に対して支払われた対価を言います。
●未収収益とは
既に提供された役務に対して、未だその対価の支払を受けていないものを言います。
●未払費用とは
既に提供された役務に対して、未だその対価の支払をしていないものを言います。
●前受収益とは
未だ提供していない役務に対して支払われた対価を言います。
▼何処が違うの・・・
似たような勘定科目に前払金・未収金・未払金・前受金がありますが、これらの勘定科目は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行っている場合以外に使用します。ですから資産の譲渡(物の売買)の場合等はこれらの勘定科目を使い、経過勘定は使いません。
▼具体的には、微妙です。
会社法の改正を受けて日本公認会計士協会や、日本税理士連合会が経理処理をまとめた「中小企業の会計に対する指針」では未払費用の事例に未払給与が載っていますが、前払費用の事例には載っていません。
顧問契約に基づく顧問料や、雇用契約に基づく給与等も継続した役務の提供に該当しますが、「時間の経過に伴い」の解釈によって、経過勘定として取り扱うか否かの議論が分かれるところとなっております。